みんなの考えた ”ひとり佇む女性” を発表する前に
まずはふじもなおが考えたものを
発表しちゃうよー。どきどき。
時刻は夜の11:50を示している。
彼女が待ち合わせた時刻は一体何時なのだろうか、先程から時間を幾度となく気にしている。
少々汗ばんだブラウスに黒のタイトなスカート。仕事帰りだ。今日は確かに蒸すような暑さだった。
いつも電話で上司との折り合いが悪いと愚痴っている。
今日はその電話の彼女とお泊りだろう。ようやく休みが重なったと嬉々として話していたね。
きっと今晩はその友人と眠らずに話を続けるのだろう。だから荷物も少量でブランドのバッグに入れているんだ。
5分が経過した。まだ来ない。
少し苛立っているのかい?
なら思い出にそのブランドのバッグの話をしようか。
去年の夏に君は嬉しそうに男とデートをしていたね。
その際に普段なら興味のないブランドだけれど、ウィンドウに飾られたそのバッグだけは目に入り、カフェに入ってもずっと気にしていた。
見兼ねた彼が帰り際にサプライズでいつのまにか購入していたバッグを渡され、君はものすごく大事そうにそれを抱えながら帰宅したよね。懐かしいなあ。
今年の春で捨てたと思っていたけれど、そうか、そんなに気に入っていたんだね。そのバッグ。
12:00。ああ、やっと来たね。
良かった。じゃあそろそろ僕もこのカフェを出るとしよう。
僕はその友人の家を知らないから、知っておかなくちゃ。
君がどこで何をしているか、僕はなんでも知っておきたいからね。
さあ、行こうか。
という感じで、第三者目線で彼女を描いてみたよー。
この第三者がどういう人物かわかった時に、少しゾッとするかもしれないけれど、物語ということで。
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